シキホール島はフィリピンにある国内で3番目に小さい州です。島を一周するのは約80km、日本の淡路島と同じくらいの面積と言うとわかりやすいかもしれません。人口は約8万人の非常に小さい島です。 シキホール島には数々の伝説や神話、そして島の不思議な自然現象によるものがあります。シキホール島には、魔女や魔法使いが住むと言われる「マウント・バンディラーン(Mount Bandilaan)」という山があり、その周辺には不思議な力を持つとされる神聖な場所が多数存在します。また、シキホール島には、奇妙な形状を持つ石や洞窟、森林が多数あり、それらが謎めいた雰囲気を醸し出しています。
島民たちは、魔法や呪文、占いなどが島の文化の一部であり、神秘的な力を持つ人々が存在すると考えています。島には魔女たちが集う場所もあり、そこでは島の伝統的な宗教儀式が行われています。これらの宗教儀式は、島民たちにとって非常に重要であり、その中にはキリスト教の影響を受けたものもありますが、古代の宗教儀式や魔法的な要素が含まれているものもあります。 相手に呪いをかけるバランという黒魔術を操るマンババラン(Mambabarang)がいるという悪名高い評判が続いており、政界関係の人が自身の出世のためにシキホール島を訪れ、マンババランに対象の相手に呪いかけるように依頼しに行くという噂もあります。 シキホール島には多くの都市伝説や未確認生物もあり、島内にはマナナンガル(Manananggal)と呼ばれる吸血鬼が存在するとされています。昼間は普通の女性の姿をして生活をしているのですが、寝静まった夜になるとコウモリのような翼を生やし、上半身だけで飛び人間を襲い、生き血を啜るとされております。もし興味があれば調べてみてください。
数々の怖い噂はありますが、その噂が独り歩きをして悪人を寄せ付けず、癒しと感動の宝庫として多くの観光客を魅了しています。シキホール島は、自然が豊かで美しい場所があり、海岸線には美しい白い砂浜や、色鮮やかな珊瑚礁が広がっています。また伝統的なヒーリング文化が未だに根付いており、島にいるヒーラーが自然療法、霊的な療法、マッサージ、リフレクソロジー、ヨガ、瞑想など、多様なヒーリングを提供しています。その自然と人々が癒しを与えてくれることから「癒しの島(Healing Island)」とも呼ばれています。 シキホール島では日本のように設備が整っている病院があるわけではなく、病気になるとヒーラーの元を訪れて治してもらう習慣があります。人気のあるヒーラーは「ボロボロ(Bolo-Bolo)」と呼ばれる白魔術を使って、体内に蓄積された毒素や負のエネルギーを取り除き、自然の病気や呪いに苦しむ患者を治します。ボロボロの癒しの儀式では、コップ一杯の水、竹のストロー、サントニーニョ(聖子イエス)から授かったとされる魔法のブラックストーンを使用します。この治療方法は科学には証明できるものではありませんが、不思議な体験談を聞くことが多いです。
<ボロボロをしている実際の写真>
島内ではヒーラーが白魔術で作ったお守り(Agimat)やラブポーション(Gayuma)も有名です。黒魔術を恐れる人たちもいるのは事実ですが、怖い黒魔術のイメージは少しずつなくなってきているのかもしれません。ヒーラーたちは、自然と調和し、心身のバランスを整えることを目的として、古くから伝わる知識や技術を使って人々を癒しています。彼らの知識と技術はシキホール島のヒーリング文化の重要な要素の一つです。 昔、フィリピンがスペインの植民地だった時代、シキホール島にいるホタルたちの群れがまるで燃えているように見えたことからスペイン人はこの島を「火の島(Isla del Fuego)」と呼びました。今でも「モラべ(Molave)」と呼ばれる木に野生のホタルの群れが集まり、神秘的な輝きを放っています。遠くからみてもはっきりと輝くその光景は圧巻です。
独自の文化、魔女の存在、黒魔術&白魔術、都市伝説、他の島々にはない不思議な魅力、 すべてがファンタジー、なぜか信じたくなる、謎に包まれた「魅惑の島」、それがシキホールです。